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コバッチ
現役電気工事士/電気施工管理技士
- 電気工事士歴10年以上
- 独学で取得した資格15個
- 年間売上高1億円以上の施工実績
- 売上1億円以上を5年以上継続
- 官公庁・民間など500件以上の工事を経験
現役電気工事士/電気施工管理技士
太陽光発電は自然エネルギーを利用し、自宅で電気をつくる電気の発電方法です。
太陽光発電を検討しているかたが一番気になるのは『元を取れるのは何年ぐらいなのか』『設置するとどれぐらいおトクなのか』が気になると思います。
今回の記事は電気工事会社に勤め何軒も設置工事をした筆者が家庭に設置する太陽光発電をおすすめしない理由になります。
運営者プロフィール・Twitter(@cobacchi_blog)
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太陽光発電は半導体パネルに太陽光を当て太陽の『光エネルギー』を『電気エネルギー』に変換させ『直流電流』を生み出します。
ご家庭の電気は『交流電流』を用います、太陽光発電で生み出した直流電流はそのままご家庭の電気に使用することができません。
直流電流→交流電流に変換するパワーコンディショナの機器を使いご家庭の電気に使えるようになります。
次に太陽光発電のメリットを見ていきます。
メリットを見ていきましょう。
一般的なご家庭の電気の供給方法は、各お住まいの電力会社が発電した電気をご家庭に送電する方式になります。
太陽光発電では自宅の太陽光発電で発電した電気を利用し、不足分を電力会社からご家庭に送電する方式の違いになります。
太陽光発電では、自宅で発電を行えるので、『発電した分の電気代を支払う必要がない』ことが太陽光発電の大きなメリットです。
電気代が無料は嬉しい
太陽光発電を設置しているご家庭では、ご家庭で使用する電気よりも太陽光発電が発電する電気のほうが上回ることがあります。
電力会社と『売電契約』を結んでいると余った電気を電力会社に買い取ってもらうことが可能です。
メリットはお家の余った電気を買い取ってもらうことで『月々の電気代が無料』になり、さらに嬉しいのが『余った電気分のお金をもらえる』
ご家庭の太陽光発電は5kw程度なので、2021年では1kWh=19円で買い取ってもらえます。
売電契約をしていない場合は電気が余っても買い取ってはもらえません。
一般のご家庭は電力会社の送電から電気が使用しますが、災害時や電力会社の事故などがあった場合、送電が出来なくなり電気の使用が出来ません。
太陽光発電の場合、日中天気が晴れの場合は電力会社からの送電がなくても電気を使用することが出来ます。
太陽光発電に『蓄電池』を加えることで日中で発電した電気を蓄電池に充電し、夜間時でも電気を使用することが可能になります。
太陽光発電では、災害や電力会社の事故などの際の『非常時に電気が使用できる』ことがメリットになります。
ここまで聞くといいことづくめじゃないですか?
具体的におすすめしない理由を説明します。
今までのメリットをみてましたが、メリットよりもデメリットの方が目立つので筆者は太陽光発電をおすすめしておりません。
デメリットをわかりやすく解説します。
売電契約をしたご家庭の『電気の買取価格』は経済産業省が定めた売電価格になります。
引用 経済産業省
2020年度の価格は21円ですが、2021年以降は19円、17円と年々買取価格の減少が見受けられます。
なぜ年々下がり続ける理由は、コストが効率化された適正な市場を形成するためです。
コストが効率化??適正な市場を形成??
太陽光発電が始まったスタート当初の価格は、基準が定まっておらず、年月が経ち次第に太陽光発電が普及し、当初の価格では電力会社などが損をすることがわかったからです。
価格が減少する理由は電力会社が損をしないように価格を決めているということ。
電力会社が損をしたら電気を買い取ってくれなくなるからね!
ご自宅に太陽光発電の設備を設置してから『太陽光発電の費用』の元を取るまでにどれぐらい時間がかかるのかを考えます。
数値はお住まいの地域・家庭で変わるので平均で計算します
一般家庭4人家族
4人家族1年の平均年間消費電力は約5,500kWh
太陽光発電4,5kWのソーラーパネルを設置した場合の年間発電量は5,115kWh
あれ?電気を買ってもらえるまでは発電しないんだ?
地域によるけど使う電気のほうが多いんだよ
設置費費用は平均130万
1kWh 19.88円≒20円で計算※1
1年間の消費電力が5500kWhなので、1年間の電気代は約11万円
太陽光発電の設置費用で元を取ろうとおもうと『12年必要』になります。
※1東京エナジーパートナー価格
かなりの長期間になってくるんですね!
設置費用が高いっていうのがネックなんだよ
太陽光発電で大事になるのは発電をしてくれる『太陽光パネル』になります。
太陽光パネルは表面が汚れると発電効率が落ちたり、機器の経年劣化による発電量の低下が考えれます。
太陽光パネルのメーカー保証は10年機器保障が多いです。
メーカー保証一覧
『機器保障』※1
『システム保証』※2
『出力保証』※3
『自然災害保証』※4
※1 機器保障は太陽光パネルに製造上の不具合が見つかった場合、修理や交換をする保証
※2 システム保証は太陽光発電のシステムに関するすべての機器全体の保証
※3 出力保証はメーカーから算出された太陽光発電の出力を下回ったときに修理や交換をする保証
※4 自然災害保証は台風、大雪などの自然災害による故障を保証
設置費用の元をとるのに12年かかりますよね?
そういうこと10年以降は保証してくれない
一般的に機器保障が多く、太陽光パネルに製造上の不具合の保証になるので自然災害や経年劣化の保証は含まれていません。
自然災害、経年劣化の場合の交換・修理費用が必要な場合、設置費用の元をとるどころか余計な費用を支払う可能性があります。
自然災害保証などでカバーできますがその分保障費用が掛かることを認識しましょう。
太陽光パネルはホコリや鳥のフンなどで、表面がよごれてると太陽光からの光が減少し発電効率が減少します。
そこで必要なのが太陽光発電のメンテナンスは『太陽光パネルの掃除』になります。
太陽光パネルって屋根にありますよね?
誰でもが簡単にメンテナンスできないところがデメリット
太陽光パネルの経年劣化は0.5%~1%と言わてれています、メンテナンスを怠るとさらに発電効率が悪くなります。
太陽光パネルの他にパワーコンディショナやケーブル損傷の確認のメンテナンスもあり専門知識がないとできないのもデメリット。
ガラス用洗剤
マイクロファイバータオル
洗浄機器
太陽光発電は新築戸建て住宅の際に検討する方が多いです。
住宅は高い買い物で、2000万~3000万の価格になり『太陽光発電設備の130万』を設置するとお得ですとすすめられることもあるかもしれませんが、2000万~3000万と比べ割安に感じてしまいます。
でも本当に設置費用の130万は割安???
太陽光発電の設置費用の12年で元をとるまで利用するのも1つですが、それ以外の費用にお金を回せることも検討してみてください。
自分は車が欲しいです!
費用対効果も合わせて検討してください。
費用対効果とは今回の場合太陽光発電の設置費用に対しての効果。
太陽光発電を設置してメリット・デメリットの比較検討を是非してください。
筆者の個人的な意見は太陽光発電は『企業のイメージUP』や『太陽光投資を目的』にしている方向けだと感じています。
ご家庭の場合は、太陽光発電で電気代の費用を抑えるよりも節電や電力会社の切り替えなどをする方が簡単に電気代が安くなります。
節電方法や電力会社のおすすめなど詳しくは【電気代が簡単に安くなる】で解説してます。
お家の電気工事を解決する「エレマップ」ではその他にもこんな電気工事で困った記事を書いています。
コバッチ